nandemo diary

芸人さん(ほぼほぼジャル)を愛でる亀更新ブログ

ヒーローショーという残酷な映画

皆さんは「パッチギ!」などで知られる超大物監督の井筒和幸さんと、若手実力派NO.1のジャルジャルがタッグを組んだ2010年公開の映画を知っていますか?

その名も「ヒーローショー」と言います。

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私はDVDで何回も見ました(おっと暇人がバレる)

 

ビビリでヘタレで自己中、怒られたらすぐ仕事を辞めるような典型的なダメ男で、いつか芸人として成功する事を夢見るニート・鈴木ユウキを福徳さんが

自衛隊上がりで男気があり、仲間想いで根は優しいが父親から虐待を受けていた過去があり、子供の愛し方を知らない青年・石川勇気を後藤さんが演じています。

 

(画像の引用は違法なので文章だけで失礼します。また、過度なネタバレも違法となってしまう場合があるため、おおまかなあらすじと感想だけとさせて頂きます。ご了承ください🙇‍♀️)

 

登場人物

鈴木ユウキ - 福徳秀介ジャルジャル
石川勇気 - 後藤淳平ジャルジャル
江沢あさみ - ちすん
ユウキの元相方・剛志 - 桜木涼介
ノボル - 松永隼 <ギガレッド>
香川勉 - 米原幸佑RUN&GUN)<ギガブルー>
美由紀 - 石井あみ
勉の兄・香川拓也 - 林剛史
あさみの息子・斎藤健太 - 巨勢竜也
勇気の母の恋人・星野 - 永田彬(RUN&GUN
勇気の母・ゆり - 結城しのぶ
鬼丸 - 阿部亮平
鬼丸(弟) - ジェントル(ミルククラウン
拓也の父・香川義男 - 大森博史
拓也の母 - 斉藤林子
ショベルカー運転手・木村 - 飯島洋一
勇気の舎弟ヒロト - 落合扶樹

 

ユウキは上司に怒られたことがきっかけで仕事を辞めてヒーローショーの悪者役としてアルバイトを始め、そこでレッド役をしていたノボルが、怪人役の剛志の彼女を寝とってしまった事から事件は始まります。

 

寝とるなら隠れてすりゃあいいものをわざわざ剛志の前で「あぁ〜腰痛てぇ」とか言っちゃうノボルまじでバカだと思う(小声)

 

子供達が楽しむ場であるべきヒーローショーの舞台で殴り合いの大喧嘩を始める怪人とレッドに、親御さんも他の仲間たちも唖然としてしまいます。

でもなんかここらへんで私は「おわぁ〜始まるで始まるでぇ〜!ショータイムの始まりやでぇ〜!」とか思っちゃうんですよね笑

 

そこで怒った剛志が「ノボルをボコボコにしてくれ」と頼み込んだのが鬼丸兄弟。

これがもう見た目からしてやべぇ奴らです。

 

「喧嘩?ありだなそれ」と二つ返事でOKし、後日ノボル達のもとへ行って高額な慰謝料を要求します。

(この時ノボルはまた別の女を口説き中)

(ノボルまじでクズ)

 

ノボル達も負けてばかりはいられないと、ノボルの友人・勉の兄に縋りつきます。

すると奇跡的に勉の兄は自衛隊上がりで、自衛隊で最も強いとされていた勇気と親友だったのです。(どんな偶然だよ)

勉の兄が勇気に電話で「弟が大変な目にあってるから助けてやってくれ」と頼むと、勇気も二つ返事で「そんな奴ぶっ殺すしかねぇだろ」とOKしてしまいます。(なぜか全員喧嘩腰 by粗品)

 

そんなこんなで鬼丸達と勇気達の殴り合いが始まるわけです。それを腰抜かして見てるユウキがまぁ〜〜可愛い。

 

しかしボッコボコにして終わりだったはずが、ヒートアップした勉が金属バットで鬼丸の頭を思いっきり殴っちゃうんすよね〜〜〜

そこで終わりにすればよかったのに歯止め効かなくなって剛志まで殺しちゃうんすよね〜〜〜

 

そんで焦って「埋めようぜ!」ってなってショベルカーのおっちゃんに依頼するわけですよ

(金貰ったとしても人埋めれるショベルカーのおっちゃん気狂ってんな)

 

そこで元相方である剛志を見殺しにした罪悪感で、その後自分が殺される幻覚を見る事になるユウキ。可哀想!でも正直言ってユウキもそれまでクズ男だったからこんな目に遭うんだぞ!

 

その幻覚中にかの有名なあの言葉

「俺、生き直してぇよ…生き直させてくれよ!」が出ます。

今まで努力もせずに一攫千金の夢を追い続けてきたダメ男だったユウキは、この事件をきっかけに平凡な日常の大切さを思い知ったんだと思います。

 

しかしこの映画、それまでの現状から救われるのはユウキだけで、あとの登場人物は誰も救われない残酷な映画なんです。

 

勇気には実は同棲を考えている彼女・あさみがいました。しかしある時、あさみがバツイチで子持ちだという事実を知ってしまうのです。

 

しかしあさみの子供の健太と接するうちに、健太が可愛く思えて、再婚という形であさみと健太と3人で暮らす未来を思い描く勇気でしたが、「自分は殺人事件に関わっているから」とあさみと健太が事件に巻き込まれるのを防ぐため自ら身を引きます。男の中の男……!(号泣)

 

ここの勇気があさみに自分がしてしまったことを明かすシーン、まじで後藤さんの演技力えぐいです超泣けます。

 

あさみと健太には幸せになって欲しくて、

「シアワセニナ」といった置き手紙を残し家を出ようとした勇気は、玄関を見て唖然とします。(ここから何が起こったかは映画を見て確認してください)

 

とにかく、ユウキ以外は誰も救われない誰も報われない、見ていて心が苦しくなる映画ではありますが、その分考えさせられることや感じることも多くある深い映画です。

男と男のくだらない揉め事からここまで発展するかっていうストーリー展開が見ていて面白い。

 

一言でヒーローショーをまとめると

「本当に残酷な話だけど、当たり前に生きてることが1番幸せなんだぜ」って感じです。

あとは、元はと言えばくだらない女性関係から殺人事件にまで発展している訳ですから「男の嫉妬って怖いよな」とも感じます。

 

そして私がこの映画で最も心に残ったシーンは、勇気がユウキに「お前の1番大事なものはなんだ」と聞いた時、ユウキが迷わず「命…」と答えたシーンです。

確かに自分の命を大事に思う気持ちは必要だけど、真っ先に迷わず「命」と答えてしまうほど自分の事しか考えていないというふうにも捉えられます。

 

私は、自分の命、家族、友達、仲間、全ての大切なものに順位なんてつけられないと思うんです。ユウキが「命」と答えた後に勇気が鼻で笑った意味が、最初に見た時はよく分かりませんでしたが、少し大人になってから見ると気づくこともあると思いました。

 

実はこのヒーローショーという映画は、東大阪集団暴行殺人事件という実際に起こった事件を基に作られたと言われています。

暴力的だけど誰も救われない切なさもあって、演じるのが難しそうな役柄を見事に演じ切ったジャルジャルのお二人。

自分達はあくまでも芸人だからという遠慮の気持ちは捨て去って、もっともっと演技の仕事をして頂きたいと思える演技力の持ち主です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました🙇‍♀️(ユウキと勇気のwゆうき、めちゃくちゃ読みづらくてすみません💦)